隣の芝は良く見えるもので、いまの仕事がパッとしない場合、羽振りが良く華やかな業界に転職したいと思います。だから苦労して転職活動をするのですが、きちんと見極めないと泥沼にはまってしまう可能性があります。
逆に、いま羽振りが良くても近い将来転覆するような業界で仕事をしているなら、どっぷり浸かって抜け出せなくなる前に早めに脱出するべきですよね。この記事では将来性のない業界をご紹介し、その根拠についてご説明します。合わせて安定して働くことができる仕事に就く方法をご紹介します。
目次
将来性のない業界で仕事をするリスクを考える
私たちは生活水準を落とすことができません。いまが最低だと思っている方もおられるでしょうが、軽率な転職でそれ以下になったら耐えられませんよね。将来無くなる仕事というものが発表され将来性のない業界に自分が勤めていたりこれから転職しようと考えていたりするなら、この機会にそのリスクについてじっくりと考えてみましょう。
- AIが進むと最低減の従業員しか必要ない
- 需要がない業界でも最低限の選ばれし者のみが残る
スマートフォンが普及し私たちの生活はとても快適になりましたね。動画などを見ていても好みの動画をすすめてくれる機能があり「おっ」と思う一方、これが社会でも起こり始めるとはじかれる人間は増えるとも思うようになりました。
これまで人間が行ってきたことをコンピューターがするようになると最低限の人員しか必要でなくなるし需要がない業界ではほんとうに要領が良い人のみ残ると予測できます。
「華やかだ」「儲かっていそう」と軽率に転職したものの数年でリストラとならないために、世の中の動向を見極めながら転職活動をしなくてはなりません。
将来性のない業界
まずは将来性のない業界をどんどん挙げていきます。
キャッシュレス化の波に打ち勝てない【銀行】
大型連休前やその後は銀行のATMに長蛇の列ができますよね。キャッシュレス化が進みつつも現段階においては現金が必要な場面も多々あるため銀行はなくてはならないものです。しかし、将来性で考えると銀行関係への転職はあまりおすすめしません。
その根拠として、スウェーデンが国レベルでキャッシュレス化を進めていることが挙げられます。ご存知の方も多いと思いますが、スウェーデンの公共交通機関では現金が使用でません。スマートフォンを使用した決済方法がとられ現金を持たなくても外出できるようになっています。もはや5人に1人くらいしか現金を使用して買い物をしないのだとか。
最近は個人情報を保管した米粒ほどのマイクロチップを皮膚(手)に埋め込み、カードレス・キーレス化を進めています。これをID代わりにしている企業もあるほどで、ハッキングされにくいし強盗に遭う危険性も減ると言われています。
クレジット決済化が進むともはや銀行の数もそれほど必要ないため、その業界に残れるのは選ばれし者のみになるでしょう。私たち一般人がいくらお金を預けても増やしてくれないから資産運用に利用しようとは考えていませんよね。
【ペーパーレス化に対策がとれない】印刷業界やOA機器業界
ご自身の日常生活と照らし合わされるとよくわかると思います。最近テキストやハードブックを買いましたか?!新聞はとっていますか?!私の周りでは数年前から新聞や書籍はデジタルに移行しています。うちの祖父母も老眼鏡を片手に1日かけて読んでいた新聞をタブレットで読むようになりました。子どもの学習もタブレット化しています。学習塾の赤ペン先生だって、もはやデジタル化していますよ。
私はライターの仕事に就く前は塾の小論文の添削をしていました。進学塾では添削され戻ってきた小論文をもう一度見直し完成させるのだそうです。これまでは赤ペンが入った答案を見直し、改めて新しい紙に書かせていたようですが、経費削減や教育の観点から生徒さんが書いた答案は原本とされ私が添削するのは答案を読み込んだもの(デジタル採点)に変わりました。
塾の担当者が言っていたことですが、これまで学習塾では紙関連に費用がたくさんかかっていたそうです。小論文の添削をデジタル化したことで用紙代はもちろん、添削する講師へ用紙を送付する必要がなくなったから、その塾は市内の一等地に移転しています。
以前は会議などでは紙の資料をを配られていましたが、ペーパーレス化を進めている企業ではノートパソコンやタブレット持参で会議に出席しなくてはならないそうです。私も以前は企業に勤めていたのでわかるのですが、OA機器って何が高いのかと言うとレンタル料ではなくインク代ですよね。コピー機を使用する頻度が減ると打撃を受けるのがOA機器業界です。
また本や雑誌も売れない時代になりました。出版業界では利益度返しのふろくをつけたり(成功している雑誌は一部だけ)書店側も書籍離れを防ごうとカフェを併設させたりかわいい雑貨を置いたり工夫していますが、デジタル化の波には勝てないようです。
雑誌の売り上げに貢献していたであろう美容業界(主に美容院)ではタブレットを導入する動きが進んでいます。お客さんはタブレットの中にある雑誌を好きに選び雑誌の重さに耐えながら読むという苦痛から解放されます。美容院オーナーは雑誌の購入費を削減できたり雑誌の間に挟まった髪をとるという作業がなくなったりします。
ビジネスだけでなく一般家庭でも印刷用紙の需要は大幅に減っていて大手複合機器メーカーは赤字を抱えています。超大手企業であっても沈むときは一瞬ですよ。
【ダメな点に気づいているのに学ばない】建設・土木関連業界
建設業界はオリンピックや大阪万博を前にホテルの建設や施設や道路などの改修工事で大忙しです。私の友人は設備関連会社(孫請け)の社長をしていますが、こんなに忙しいのは初めてだ(彼は就職氷河期に建設会社に入社し苦労しているため)と言っています。依頼が殺到し従業員が足りないときは自分が日勤を終えたあと夜勤もこなすほどだそう。
しかし、これはオリンピックや大阪万博がもたらしていることで、それらのイベントが終わったら孫請けから急速に冷え込むということを彼自身薄々感じています。だから下手に従業員を増やすことができないとも言っています。
実際に儲かっているし、求人を見ると「なにそれ」と思うくらいの高給だから、大手企業の現場監督などに転職したいと考えておられる方もいると思いますが、あと数年すれば建設業界は冷え込む可能性があるのでその仕事が本当にしたいことなのか?!よく考えて転職したほうが良いと現場で働く友人は言っています。
【人口減少を見ないふりしている】住宅関連業界
私は以前住宅関連業界で仕事をしていました。当時はとにかく不景気で新築が少なく、私が勤務いていたメーカーでは何とかリフォームで食いつなぐという戦略をとっていました。現在の住宅関連業界の動向を見ると、農地や山林を買い取りボコボコ新築物件を建設しています。
よく考えてみましょう。日本人の人口は減少傾向で人口が多い世代はもはやお年寄り、必然的に家が余ると思いませんか?!新築し人が入居すれば数年たてば改修工事が必要になるという考えはわかりますが、誰も住まない家に改修工事は必要ありません。つまり新しく家を建てて儲かるのはいまだけ、将来性のない業界であることはいまも昔も違いはありません。
人が住まなくなくなった家はたちまち朽ちていきます。そんな家が増えゴーストタウン化したときの恐ろしさにふたをしているとしか考えられません。
【自動運転にはかなわない】タクシードライバー
仕事がなくなったらタクシードライバーになれば良いと軽率に考えてはいけないし、運転免許があれば誰でもできる仕事と考えるのは大間違いですよ。私たちがタクシーを利用するときはお酒を飲んで帰宅するときや自分では運転に自信がない場所へ行くときなどですよね。しかし今後は自動運転技術が発達するので自分が気を張らなくても自家用車で目的地まで簡単に行ける時代が来ます。
現時点でもタクシーの車両台数は減少傾向、タクシーが必要なときは自家用車がその外出で邪魔になるときだけ、タクシードライバーで残るのはやはり選ばれし者のみでしょう。
【デジタル化に対抗できない業界】郵便配達員
郵便配達の仕事をしている友人がいます。いつも年賀状を注文しているのですが、年賀状の注文が年々減り、ノルマを達成できずに困っています。最近はダイレクトメールや請求書などの配達も減っていて仕事は以前よりもハードでなくなったと言っています。確かにクレジットカードの請求はパソコンやスマートフォンから見ているし、ダイレクトメールもスマートフォンのほうに来るようにしています。
少し前までは郵便配達員の仕事は安定しているから良いと言われてきましたが、本人曰く、いまは国の事業でないから仕事を甘く見ていたり考えに従わないと判断されたりした人間はどんどん左遷され肩身が狭くなっていっているそうです。
そのくせに古い体質も残っていて(国営だった)新しい風を嫌います。将来性のない業界なうえに転職組を歓迎しない可能性がある職場への転職はおすすめしません。
【人工知能にはかなわない業界】証券会社
以前の投資家は証券会社の営業マンと膝を突き合わせ取引をしていました。いまはどうかと言うと、ネット証券が参入し(営業を介して取引する必要がなくなった)膝を突き合わせて商談する相手は高齢者がほとんどになったそうです。また、人工知能の発達によってトレーダーを多く雇う必要性もなくなっているから、昔は花形で高給取りと言われていた証券マンも最小で済みます。
人工知能にはかなわない、「話すのが得意」「デイトレードがうまくいっている」という理由で証券会社への転職を考えているなら、いまいちど考えなおされたほうが良いでしょう。
将来性のない業界は時代とともに変わる!だから自分を磨くしかない
将来性のない業界をご紹介しましたが、時代の移り変わりとともに将来性のない業界も変わっていきます。つまりどの業界にいても安泰ということはありません。じゃ、どうすれば良いのかというと、誰にも負けないオンリーワンの技術を磨くしかないのです。
- AIでできないスキルを身に着ける
- 他人との差別化をはかる
AIはあらかじめ決められたことはできるし、その人のパターンを見て予測し提案することはできます。しかし、相手の表情やそのときの感情に合わせた行動をとることはできません。つまり人の心に寄り添い行動を起こせる人ならばどの業界でも生き残ることができます。
一見要領の良い人が得をする社会に思えますが、周りを見てください。付け焼刃の人間ははじめは高評価でも後になって大変な思いをしていませんか?!特に信頼を失っている傾向にあります。
他人との差別化をはかるために、自分にしかできないことを見つけるのも大事です。例えば、要領の良い人に営業能力では絶対に勝てなくても、お客さんに手書きの手紙を添えて地道に営業活動を行っていたらリピーターになってくれたり、契約がとれたり新しいお客さんを紹介してくれたりします。時代が変わっても細やかな心遣いは気持ちが良いもの、付け焼刃な人やAIが細やかな気遣いなんてできませんよね。特別なスキルがなくてもその仕事において大事なことに気づいていれば誰でも生き残ることはできますよ。
将来性のある業界を見極めるのに役立つ人たち
最後に、将来性のある業界を見極めあなたを導いてくれる人たちをご紹介します。自分の夫が転職したいと言い出したときは絶対にすすめたいと思っているブレーンです。
転職エージェント
それは転職エージェントと呼ばれる職業の人たちです。転職サイトや派遣会社などのサービスのなかに組み込まれているのですが、彼らの仕事は依頼者の転職を成功に導くことです。例えば下記のようなサポートをしてくれますよ。
- エージェントサービスに登録している優良企業を紹介
- カウンセリングで自分の売りを再発見
- 履歴書・職務経歴書の添削
- 面接の受け方
- 報酬の交渉
- スムーズに退職できるようサポート
インターネットなどで公開されている求人がすべてではありません。その求人は一般に公開されることはなく、しかも好条件の企業であることがほとんどです。この情報はエージェントサービスに登録していないと知ることができません。
自分について、特に欠点は大人になるにつれ言ってもらえなくなります。エージェントサービスを依頼するとはじめにプロのカウンセリングを受けるのですが、そこで自分が気づけていない良さや誰も言ってくれない欠点(転職活動がうまくいかない理由かも)も客観的な視点から話し対策を考えてくれます。向いていない仕事だと思っていた業界が実は向いているなど新たな発見もあるかもしれません。
企画書など書き慣れていても履歴書や職務経歴書で自分を上手に売り込めるかというと、そうではありません。言い方は悪いですがオナニーのような職務経歴書では採用側は読む気を失せます。エージェントサービスを依頼することでスマートかつ読みたいと思える履歴書・職務経歴書を作ることができますよ。
面接の受け方も新卒採用のころに教えてもらったことと転職では異なります。エージェントの指導を受けるとなぜ転職するのかなど言いづらい質問なども上手に切り返せるようになります。
さらに、報酬や待遇についてはこちらは受け身になりがちですが、エージェントサービスを介することで交渉可能ですよ。そして、退職のタイミングも大事ですよね。スムーズに退職したい、円満退職がしたいという方には転職のプロに依頼しサポートしてもらうことをおすすめします。
将来性のない業界は調べればわかることですが、その業界以外にも将来性のない企業はあります。転職した企業によって人生は大きく変わります。将来性がない企業を自分で見極めるのは難しいので、転職を考えておられるなら、その道のプロであるエージェントサービスに相談されてはいかがでしょう。