誰しも何度も転職しようと思って仕事をしているわけではなく、ひとつの企業に腰を据えて長くスキルを活かしたいと思っています。しかし入社したところがブラック企業であったり人間関係の悪化やスキルアップのために転職を余儀なくされたりすることもあります。
なかには20代で辞め癖がついて転職を繰り返し気づいたら非正規雇用、ワーキングプアになってしまった方もおられます。転職回数が多いとやっぱり不利なのかな?!
ただ、ブログなどを見ていると転職を5回以上してなお採用されるやり手もいます。今回は20代で転職を5回以上経験している場合、次の転職が不利になるのか?!転職に成功する人としない人を比較し、成功する方法を探ります。
目次
外見だけで決まらないのが今
私が子どものころ、近所のお姉さんが大手企業ばかりの転職を繰り返していました。大人たちは「あの子はきれいだからどこでも入れるね」と言っていました。
彼女は大手メーカーの男性と結婚、幼いながら「キラキラしていていいな」「美人は得だな」と思ったものです。景気が良かったころ職場を出会いの場にし男性社員に仕事への活力にしてほしいと考える社長がおられたようです。
しかし、幾多の不況を乗り越えた現在の日本企業において(外国はもっとシビアかもしれません)容姿や学歴だけで転職が成功することはありません。
転職回数が多い理由
まずは、なぜご自身に転職回数が多いのか、客観的になって考えてみましょう。
- やりたいことが見つからない
- 人間関係が上手くいかない
- 報酬が低すぎる
- コンプレックス
やりたいことが見つからない
ある統計によるとやりたいことを明確にし意志どおりに就職できた学生はほんの一握りということがわかっています。学生時代に適性検査を受けて「やりたいことを見つけなさい」と言われたと思います。しかし、そんなこと言われてもなかなか見つからないのが人間ですよね。
私自身、本当にやりたいことに気付いたのは30歳を超えてから、つい最近まで迷走しやっと定まった身なので、多くの20代が迷走される理由がわかります。
「あれ好きこれ好き」好きなことがたくさんあっても「そこまで好きか」と言われるとわからなくなるし、それが仕事となると続けることができるか?!稼げるのか!?と不安になり踏み込めません。
そこでつい手を出すのが採用枠が多い職業、ジャンルを選ばなかったり「初心者歓迎」に飛びついたりして、好きでもないし興味もない商品を売り込む営業職やの高度なコミュニケーション能力が必要なショップの店員などの仕事に就いていませんか?!
はじめは仕事を憶えるのに必死で気づかないのですが、半年くらい仕事をしていくうちにスキル不足や不向きであることに気付いたり働き方(平日休みだから友だちと遊べない・シフト制で不規則など)に不満が出てきたりして「無理かも」と感じ転職します。
しかし内定がもらえるのはやはり同じ感じの仕事、その繰り返しで転職回数が増えていくのです。
人間関係が上手くいかない
転職する理由でいちばんに挙がるのは人間関係の悪化です。上司が怖くて信頼関係が築けなかったり同僚からいじめを受けていたりすると一緒に仕事をしたいと思えないし、仕事自体が嫌になってしまいます。働き始めるまでその職場環境はわからないので、人間関係に恵まれず転職回数を増やす方もおられます。
20代がもらえる報酬が低すぎる
ステップアップのために転職しているはずなのに、転職回数が多いとはじめに勤めた会社よりも報酬が低くなっていませんか?!
20代、スキルがあると思われていないし、こちらも早く内定が欲しいと焦っているので提示される低賃金に応じ、転職回数を重ねるごとに段階的に減額しているはずです。
特に「初心者歓迎」の仕事や固定給はあっても低く出来高制の営業職もありますよね。出来高制の場合「自分さえがんばれば高収入」とはじめは意気込みますが、不安定な収入にどんどん疲れていき同じような転職を繰り返してしまいます。
ブログなどを見ていると転職回数が5回以上という方は営業職が多いように思います。
コンプレックス
友だちが官公庁や大手企業でバリバリ働くなかで自分だけ名も知られていない会社、友だちや周りと比べてコンプレックスを感じ転職を繰り返す方もおられます。
「自分はもっとできるはずなのに評価されない」「本当ならこんな職場にいる自分じゃない」思い描いた職業に就けないことを他人の責任にしていませんか?!
20代で転職回数5回は多い
ある企業の採用担当者が言うには、一般的に20代で転職回数3回、30代なら5回を超えると多いと感じるそうです。つまり20代で5回はかなり多く感じるはず、20代後半で高卒の場合、2年に1回くらい転職している計算になるため不利なことに違いはありません。
履歴書を見て20代で転職回数が5回など多めの場合、採用担当者は「我慢できない人なんだな」「スキルを磨く前に退職しているんだな」「腰を据えて働くつもりがないんだな(本当にやりたいことのためのお金稼ぎなのかも)」という印象を受けるそうです。
また、転職回数が多いほど履歴書や職務経歴書のページが増えるし、コンプレックスをカバーするために文章も長めになるので、読むのが面倒だと感じる採用担当者もいるそうですよ。
ただ、転職回数が多くても転職に成功している人はおられるし、転職回数に関係なく採用するという企業も存在します。
20代で転職回数が5回以上でも成功する人の特徴
5回以上と転職回数が多いけれど採用試験に通る方の特徴を挙げます。
- 新しい波に上手に乗れる
- 自分の市場価値を知っている
- 確実にスキルアップしている
- キャリアに一貫性がある
- 明確なビジョンがある
- コミュニケーション能力が高い
- 社員が誰も持っていない資格を取得している
- 自分の言葉で転職理由を伝えることができる
絶妙なタイミングで転職活動をして、いとも簡単にステップアップする人がいます。彼らはアンテナを張って時代の流れを読みチャンスを逃がしません。こういった方々に共通することはコミュニケーション能力に長け、様々なジャンルに知り合いがいるということです。また、世間体を気にしたり尻込みしたりするような方はいません。
もちろん、語学に長けていたり合格率が非常に低い資格を取得し特別な知識を得ていたりする人材は転職回数が多くても在籍しているだけで価値あり、転職回数が5回以上でも、また20代と若く社会経験が少なくても、さらに年齢を重ねた子持ち主婦でも採用されます。下記は私の友人です。
友人Hは20代で1級建築士の資格を取得、東京の住宅メーカーで働いた後、結婚・夫の転勤を機に地方で暮らしています。近所のママ友たちの再就職はなかなか決まりませんが、彼女は1級建築士、就職活動を始めてすぐに設計事務所から声がかかり就職が決まります。
彼女が採用された理由は「新しい事業に1級建築士がひとりでも多く在籍している方が有利だから」でした。彼女は1年ほどその工務店に勤務していましたが、子育て優先の生活スタイル、幼稚園のお迎えに間に合う午前中勤務を許してくれる自宅近くの工務店に転職します。
子供が小学校へ進学するとステップアップ、公共施設の設計を主に行っている会社に転職します。現在はフリーランスの建築士としてバリバリ働いています。
彼女は子持ちの主婦でアラフォー、私の知る限り5回以上転職しているはずです。彼女を見てわかるように転職に成功する方はキャリアに一貫性があり明確なビジョンを持っています。
また1社1社で確実にスキルアップしています。これらの能力は転職回数に関係なく採用されるポイントだと思います。
さらに、たとえ転職回数が多くても胸を張って転職理由を答えることができる方が採用されるのだと考えます。
20代で転職回数が原因で失敗する人の特徴
転職回数だけが原因ではなく、転職活動に失敗する人の特徴を挙げます。なかなか内定がもらえないなら、ご自身に当てはめてみてください。
- ビジネスマナーがなっていない
- 転職回数や転職する理由が明確でない
- ジャンル替えをした理由を説明できない
- どこか受け身
はじめに外見は関係がない時代になったとお伝えしましたが、採用試験に来た転職希望者が履き崩したボロボロの革靴だったり摩擦でテロンテロンになったスーツを着ていたりすると一緒に働きたくないと思います。また、ろくに挨拶もできないような方では同僚と人間関係を築けない人かもと思われても仕方がありません。
20代でスキルが足りないのは仕方がないとしても、最低限のビジネスマナーがなっていない方は5回6回採用試験を受けても内定はもらえません。
また、転職を繰り返す理由やジャンル替えした理由を明確に説明できない場合、やみくもに転職活動をしていると判断されてしまいます。
さらに、どこか受け身でスキルアップなどの努力もせず、条件の良い企業への転職のみ考えている場合、採用担当者はプロなのですぐに見抜きます。まだ20代で若いから上司について行けば良いという考えでは誰も欲しいと思わない、面接の序盤で不採用が確定します。
転職回数は関係がない時代がくる
外国人労働者を受け入れる準備が整いつつ、働き方も多様化する現代において近い将来は転職の有無にこだわらなくなるでしょう。
経済評論家の山崎元氏は5回どころか、12回転職されています。山崎氏は「転職年齢35歳限界説」はもはや現状に当てはまらないと言っておられます。また、20代は模索期、20代のうちにどの分野でスキルを磨くのかを決めることが今後のキャリアプランに大きく関わるとも言っておられます。
30代前半はそのスキルを発揮する年齢、20代30代で一貫したスキルを養い実績を積むことで条件の良い企業への転職は年齢に関係なく実現します。経済評論家が12回転職し成功されているのですから説得力がありますよね。
ただ、ひとつ言えるのはどんなに先入観がない時代が来ても、採用試験を受けて内定がもらえないのは前項でお伝えしたようなタイプです。
20代のうちに外資系に狙いを定めてステップアップしていくのも良し
外国では転職5回は当たり前、ステップアップのために条件が良い企業を見つけると転職していきます。外資系の企業は転職回数や年齢(年寄りは困るし20代は若くて使えないなど)への先入観を日本の企業よりも持たない、仕事ができればOKという傾向があります。
だから、20代のうちに外資系に絞って転職活動をされるのも良いと思います。ただ、日本で長く仕事をしている企業の場合、社風によってあてはまらない企業もあるので注意が必要です。
転職回数5回以上がデメリットと感じるならプロにサポートしてもらう
転職回数が5回以上、これが自分の足かせになっていると思ったり、何社も書類選考で不採用にされたりしているなら、一度転職のプロに相談されてはいかがでしょう。その名も転職エージェント、転職サイトのなかにあるサービスです。さまざまなジャンルに特化したエージェントが要望を聞きあなたに合う企業を紹介してくれます。募集する企業と契約し報酬を得ているので転職希望者は無料で利用できるサイトが多いです。相談してみるだけでも転職において得られるものがありますよ。
まだ20代ですが何となく生きていると知らないうちに年をとり「あのとききちんと転職活動をしておけばよかった」となります。大切な時間を無駄にしないためにも、プロに相談しサポートを受けられることをおすすめします。
おすすめの転職エージェント
マイナビエージェント
マイナビエージェントは、初めての転職活動でも書類作成の方法や、面接のコツなどを丁寧にレクチャーすることに慣れている担当者が多いです。
だから「初めての転職で、いろいろ不安!」という方はマイナビエージェントに登録することをおすすめします。
私自身も転職活動中、マイナビエージェントの担当者と作成した職務経歴書を使用して、倍率が高いとされる事務職の正社員に絞っての応募で書類通過率は4割ほどでした。
転職活動をしている方ならわかると思いますが、これはけっこう高い数字だと思います。
dodaエージェント
dodaは、リクルートエージェントに次いで2番目の求人数を誇ります。
求人数が多いというだけでも登録する理由になると思いますが、dodaの場合は募集企業の質がかなり高いです。
リクルートエージェント
\転職支援実績NO.1/
①業界最大級の非公開求人数
②実績豊富なアドバイザー
③充実した転職サポート
知名度はNo.1であるリクルートエージェント。迷ったらとりあえずここ!と言える信頼性があります。
求人検索がとても使いやすく、非公開求人も含め、面接日程まで一元管理出来ます。私も転職する際には必ず使っています。